石鹸の「肌あたり」を決めるのは、使うオイルの種類と配合バランスです。SORAでは10種類以上の植物性オイルを用途ごとに使い分けています。今回は特に人気の高い3種のオイルについて、深掘りします。


ホホバオイル — 皮脂に最も近いオイル

ホホバ(Simmondsia chinensis)の種子から採れる液状ワックスです。厳密にはオイルではなくワックス(ろう)のため、酸化しにくく常温で1〜2年以上の保存が可能

特徴

  • 分子量が小さく、皮膚への浸透が非常に速い
  • 皮脂と似た構造を持ち、肌なじみが抜群
  • べたつかないさらっとした使用感
  • 非常に安定しているため、精油のキャリアオイルとしても最適

SORAでの使い方

石鹸バッチには全オイルの10〜15% 程度で配合。ホホバを多くしすぎると硬化しにくくなるため、少量使いがコツです。洗い流した後も肌にほんのりなめらかさが残ります。

肌タイプ 適合度
乾燥肌 ★★★★☆
普通肌 ★★★★★
脂性肌 ★★★★★
敏感肌 ★★★★★

シアバター — 最強の保湿素材

西アフリカ原産のシアの木(Vitellaria paradoxa)の実から採れる植物脂。常温では固体で、体温で溶ける性質があります。

未精製 vs 精製

  • 未精製シアバター(Raw): ナッツのような独特の香りがあるが、栄養成分が豊富。ビタミンA・E、ステアリン酸を多く含む
  • 精製シアバター(Refined): 無香料で使いやすい。ただし精製過程で一部栄養成分が失われる

SORAでは未精製シアバターを使用しています。精製の際の化学処理を避けることで、天然の保護成分をできる限り残しています。

石鹸への配合

全オイルの15〜20%が目安。シアを多く入れると硬くしっかりした石鹸に仕上がり、使用中のへたりが少なくなります。また、きめ細かい泡が立ちやすくなる効果も。


オリーブオイル — 石鹸の基本素材

地中海地方で数千年前から石鹸づくりに使われてきた、最もオーソドックスな素材。世界最古の石鹸レシピとも言われるカスティール石鹸は、オリーブオイル100%が原点です。

グレードによる違い

グレード 特徴 石鹸づくりへの適性
エキストラバージン 低温圧搾、色・香りが強い 〇(ただし色が残りやすい)
バージン 圧搾、やや精製
ピュア / ライト 精製済み、淡白 ◎(初心者向け)
ポマス 搾りかすから抽出 △(安価だが泡立ちにくい)

配合の目安と注意点

全体の50〜70% 配合が一般的。ただしオリーブオイルだけではトレース(とろみ)が出るのが遅く、熟成にも時間がかかります。ココナッツオイルと組み合わせると、泡立ちと硬さが補完されてバランスが良くなります。


3つのオイルを組み合わせるレシピ例

オリーブオイル     60%(保湿・肌なじみ)
ココナッツオイル   20%(泡立ち・硬さ)
シアバター         15%(保湿・しっとり感)
ホホバオイル       5%(浸透・さらさら感)

この配合は乾燥肌〜普通肌に特によく合い、SORAの「ラベンダーカーム」のベースとしても近い設計です。


オイルの組み合わせを変えるだけで、同じ製法でも全く違う石鹸ができあがります。ぜひ自分の肌タイプに合った配合を見つけてみてください。次回は、各オイルに対応した**苛性ソーダ量の計算方法(SAP値)**についてお話しします。